大連市における新型肺炎(SARS)関連情報
(2003年6月27日現在)
在瀋陽日本国総領事館
大連(駐)事務所
(概要)
○6月26日に開催された大連市政府主催の、大連市在住 外国人(外資企業を含む)に対するSARS状況説明会に おいて、衛生局副局長が、「大連市はSARSを効果的、成 功裡に制圧した」として、大連市におけるSARSは実質的 に終息した旨述べました。
○加療中の感染者3名(看護婦)は6月24日に無事退院し たほか、6月2日以降新たな感染者(疑似感染者を含む) は発見されていません。
○これまで禁止されていた文化活動や娯楽施設の営業が 6月6日より再開されており、既に公共施設(図書館、博物 館など)やジムなどの運動施設がほぼ全部再開されてい るほか、多くのカラオケ店も再開され始めています。
○7月末には予定通り国際会議(ASEM経済閣僚会合) が開催される他、延期されていた商品展示会(大連輸出入 商品交易会)も開催されることになりました。
○これまで一時停止していた旅行会社主催の団体旅行が 6月21日より遼寧省内に限り解禁されました。
○発熱者専門病院として準備されていた「大連海港医院」 は、6月18日より通常の病院業務に戻りました。
○大連市及びその周辺における感染概況
市政府当局者の説明では、加療中の感染者(3名の看護婦)も6月24日に退 院したほか、6月2日以来新たな感染者(疑似感染者を含む)が発生していな い由です。また、6月26日に開かれた市政府主催の外国人を対象とした状 況説明会において、衛生局の副局長が「大連市はSARSを効果的、成功裡 に制圧した」と説明し、大連市内のSARSは実質的に終息したとの見解を発 表しました。
大連市周辺の省市においてもSARSは終息の方向に向かいつつあります が、カナダのトロントの例もこれあり、今しばらく関心と注意を払うのが好まし いと思われます。
○大連市政府の対応ぶり
1.大連市政府は、市内におけるSARSを制圧したとの立場にたちつつも、今 後とも気をゆるめず必要な対策を継続するとしています。また、今後はSARS 対策と同時に経済対策にもしっかりと取り組んで行くとの姿勢を打ち出してい ます。
2.市政府は5月以来SARSに関する各種の規制措置を講じ関連通知を発出 してきましたが、6月14日に「SARS予防に関する措置の調整を行う通知」を 発出し、これまで禁止されてきた文化活動や娯楽施設の営業を一定の条件 の下に再開させました。この結果、公共の図書館、博物館、ジムなどの運動 施設、カラオケ店、バーなどの多くが既に再開されています。
3.5月及び6月に予定されていた諸行事はいずれも延期ないし中止となりま したが、7月からは次のような行事が開かれる由です。
大連輸出入商品交易会(7月21日〜25日)
第5回ASEM経済閣僚会合(ASEM5)(7月21日−25日)
中国国際ビール祭り(8月1日−10日)
○市内の状況、在留邦人の状況
大連市内では商店や飲食店、ホテルなどの営業もかなり回復しつつあり、落 ち着いています。
また、在留邦人の間にも安堵感が広まり平常の生活に戻っている他、SARS を逃れて一時帰国中の方々の中にも再度大連に戻られる人々が目立ち始め ています。
○外国人に対する大連でのSARS指定病院
大連市内のいずこかの病院にてSARS感染(含む疑似感染)者と認定された 場合には、外国人の場合、次の病院に強制入院させられます。なお、中国人 の場合には、大連市第六人民医院が指定病院となっています。
(外国人用指定病院)
大連市中心医院:大連市沙河口区学工街42号
外国人SARSホットライン:4439010(英語可)
外国人問診問い合わせ:4412001−208(日本語可)
4412001−607(日本語可)
○中国各地における感染状況
本件肺炎の感染が連鎖的に伝播している地域としてWHOが特定した中国本 土内での「域内感染地域」はなくなりました。従って、我が国の外務省は、中 国各地に出していた危険情報を全て解除しました。
(なお、台湾には「十分注意してください」の危険情報が発出されています)
SARS患者数等(6月26日10時現在、中国衛生部発表)
1.26日午前10時までの段階で、新規発生報告、新規疑い例の報告はな し。
2.全国の治癒・退院は5例(内訳:北京5例)
3.死亡の報告はなし。
4.現在中国国内で治療を受けているSARS臨床診断例は、39例(内訳:北 京34例、広東4例、上海1例)。
5.疑い例の報告はなし。
○その他参考事項
1.大連発国際航空便の減便
全日空が6月30日まで成田線(週6往復)を減便し、関西空港線(週2往復) を運休しておりましたが、関西便は7月1日、成田便は7月11日より通常スケ ジュールに回復します。また、CA(中国国際航空)の日本行き便数は4月に 比べ8割の運行、CZ(中国南方航空)便は半減となっております。
2.対中国支援
日本国政府は中国政府に対し、SARS対策に必要な医療機材・薬品などを 購入する資金(緊急無償資金)として、とりあえず約2億円を提供した他、今 回、追加援助として15億円の援助を行いました。
また、大連に進出している日系企業や本邦の諸団体より、大連市政府に対 し、医療器具(マスク、体温計等)ないし寄付金の形で支援が行われており、 市政府から感謝されております。
3.SARS指定病院への慰問
5月30日、川本所長がSARS指定病院である第六人民医院及び大連市中 心医院を往訪し、大連在留邦人を代表して関係者(3名の感染看護婦を含む) を慰問するとともに、心ばかりの慰問品をお届けしました。
○SARSに関する情報入手先 ☆大連市政府関係連絡先 ・大連市外事弁公室 領事処:孫遠江 電話:3635514 3631831−431 13019448274 ・大連市衛生局 医政処:劉雲
電話:3631397 3631831−520 夜間・休日:4308899 4309416 ・大連市中心医院(外賓収治) 外国人SARSホットライン:4439010(英語可)
外国人問診問い合わせ:4412001−208(日本語可)
4412001−607(日本語可) ☆在瀋陽日本国総領事館 HP:http://www.shengyang.cn.emb-japan.go.jp/SARS/index.html
☆同大連(駐)事務所
HP:http://www.dalian.cn.emb-japan.go.jp/jp/index.html
☆WHO HP:http://www.who.int/csr/don/en/ 又は、http://www.who.int/mediacentre/releases/2003/en
☆厚生労働省 HP:http://www.mhlw.go.jp/topics/2003/03/tp0318-1.html 海外勤務健康管理センターHP:http://www.johac.rofuku.go.jp/ 電話:045−474−6039
☆外務省関係連絡先 ・外務省海外安全ホームページ:http://www.mofa.go.jp/pubanzen/ ・外務省領事移住部政策課(医療関係) 電話:03−3580−3311(内線)2850 ・外務省海外安全相談センター(国別安全情報等) 電話:03−3580−3311(内線)2902
(了)
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