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5月20日に公表された疑似感染者2名(看護婦)は、22日、 真性感染者と認定し直されました。また、22日、新たに疑似 感染者1名が発生しました。この結果、大連市における真性 感染者は3名、疑似感染者は2名(うち1名は死亡)となりま した。 大連市におけるSARS関連状況は概ね次のとおりです。邦人各位におかれま
しては、今後の動向を注視するとともに、日常生活においてもマスクの着用、ウ ガイの励行など有効とされる各種手段を講じるとともに、感染地域を往訪される 際には、各地域の関連情報を収集し、慎重に行動願います。 ○大連市及びその周辺における感染概況
1.大連市
5月20日、大連市第六人民医院(中国人用SARS指定病院)に勤務中の看護
婦2名(王及び賀。いずれも20才代)が疑似感染者と認定されましたが、22 日、遼寧省衛生庁は両名を真性感染者と認定し直しました。また、同庁によれ ば、22日、大連において新たな疑似感染者1名(医療関係者)が発生した由で す。 この結果、大連での真性感染者は合計3名(現在加療中の陳某を加え)、疑似
感染者は2名(うち1名は死亡)となりました。 2.大連市周辺
感染は北京市から更に天津市や河北省に拡大しつつあります。また、大連市が
属する遼寧省内でも感染者が漸増する傾向にあるほか、東北3省では特に吉 林省での感染が広まっています(5月20日現在の感染者35名、死者5名)。 ○大連市政府の対応ぶり、市内の状況
1.大連市政府は本件新型肺炎問題を重視し、特別対策チームを編成の上、衛
生局が中心となって、空港、港湾、列車、バスなどの停車場を中心に厳格な防 疫体制(消毒、健康申告書の提出等)を行うとともに、市内の病院、保健所に対 し感染者の報告を義務づけ、一般市民に対しても各種のパンフレット或いはマス コミ等を通じ注意と予防に関する広報を行っています。また現在は特に農村地 域における防疫対策に力を入れています。 なお、市政府は、5月12日、大連に居住する外国人(外国の機構、外資企業な
ど)を招いてSARS関連の説明会を開催しました。 2.市政府は5月以来次のような通知を発出し防疫に努めています。
*映画館、カラオケ店、遊技場等の娯楽施設や図書館等公共施設を一時閉鎖
するとともに、多数の参加が見込まれる各種会議や文化活動を禁止(5月1日) *やたらとつばや痰を吐くことを禁じる規則(5月16日)
*大規模な婚礼の式典・宴会の開催禁止に関する通知(同上)
*SARS防疫期間中における犬の管理に関する通告(同上)
3.市政府ないし主催者によれば、現下の状況にも鑑み、次の諸行事はいずれ
も延期ないし中止となった由です。但し、7月末に開催される国際会議;「第5回 ASEM経済閣僚会合」(ASEM5)は、予定通り開催されます。 友好都市経済懇談会、大連輸出入商品交易会、大連国際アカシア祭り及びア
カシア経済懇談会、キャノン杯日本語弁論大会(以上は5月開催予定行事)、第 2回大連青少年交流国際音楽祭(8月予定行事)。 4.一般市民は冷静に事態を観察しており、日常生活も落ち着いています(4月
末当時、一時的に、マスク着用の市民が散見されたほか、関連薬品や野菜など が高騰)。 ○大連在留の邦人・日系企業の動向
目下のところ、在留邦人、日系企業とも感染状況の進展を注視しつつ、各種情
報を参考に、自らの判断に基づき、平静かつ沈着に対応されています。 例えば、不特定多数の来客を有する事務所や工場等では消毒を行ったり、感染
予防マスクを着用したり、或いは、若干の企業ないし事務所では、家族(特に幼 い児童を有される家族)が既に帰国(一時帰国を含む)されているところもありま す。また、大連に留学ないし修学中の日本の留学生(約470名)の中にも、既 に帰国(一時帰国を含む)した者が100数十名存在します。 ○当(駐)事務所の対応ぶり
当(駐)事務所では、日本人学校、日系企業、日本人留学生、及び一般在留邦
人各位を対象として、「お知らせ」、「領事館だより」、或いはインターネットを通じ てのHPなどにより、注意を喚起するとともに最新の情報を提供しています。 また、当(駐)事務所主催による「邦人安全対策連絡協議会」(在留邦人の中の
安全問題に関する有識者代表をメンバーとする)を開催し対策を協議するととも に、大連日本商工クラブ、大連日本人学校等とも緊密に連携を保ちながら、在 留邦人の皆様方の安全確保に努めています。 なお、目下のところ、査証の取り扱いについては何らの変動はありませんが、5
月19日(月)より、申請時にSARSに関する問診票に記入いただくことになりま した。また、5月21日から、当(駐)事務所来訪者の皆様方に対し、入館時にお ける体温検査を実施させていただいておりますところ、宜しくご協力願います。 ○外国人に対する大連でのSARS指定病院
大連市内のいずこかの病院にてSARS感染(含む疑似感染)者と認定された場
合には、外国人の場合、次の病院に強制入院させられます。なお、中国人の場 合には、大連市第六人民医院が指定病院となっています。 (外国人用指定病院)
大連市中心医院:大連市沙河口区学工街42号
電話:4411935(病院オフィス)
4438988(院長室)
13309861122(24時間OK 疑わしい人優先)
4602419(院長自宅)
日本語可能
○大連空港、日本国内での防疫体制
大連出入国時には検温及び健康申告書の記入が求められ、問題のある人につ
いては更に詳細な検診が行われます。 他方、日本国内では、厚生省が、SARS感染地域に滞在された方々(日本人・
外国人を問わない)の日本入国に際し、「健康状況質問票」の提出を求めるとと もに、来日後10日間は家族を含め人に会うのを最小限にし、濃厚な接触を避け るよう呼びかけを行っています。 ○中国のその他の地域における感染状況
本件肺炎の感染が連鎖的に伝播している地域としてWHOが特定した中国本
土内での「域内感染地域」は、広東省、山西省、北京市、内モンゴル自治区、及 び天津市以外に、河北省、湖北省、江蘇省、吉林省、陜西省が新たに加わりま した(5月15日)。我が国の外務省は右を踏まえ、目下(5月18日現在)次のよ うな渡航情報を発出済みです。 *「渡航の是非を検討して下さい(不要不急の渡航については延期をおすすめ
します)」・・・広東省、山西省、北京市、内蒙古自治区、天津市、河北省。 (注:香港、台湾もこのカテゴリー)
*「十分注意して下さい」・・・・上記都市以外の中国全土
なお、広西自治区、湖南省、四川省、福建省、上海市、河南省、吉林省、遼寧
省などでも感染者ないし死者が出ています(主たる地域における現在までの感 染者数、死亡者数等は次の一覧表参照)。
SARS患者数等(5月20日10時現在中国衛生部発表)
○その他参考事項
1.大連発国際航空便の減便
全日空が6月1日より15日まで成田線(週6往復)を半減、関西空港線(週2往
復)を運休する他、CA(中国国際航空)の日本行き便数も既に約3分の2に、ま た、CZ(中国南方航空)便も半減となっております。 2.対中国支援
日本国政府は中国政府に対し、SARS対策に必要な医療機材・薬品などを購
入する資金(緊急無償資金)として、とりあえず約2億円を提供した他、今回、追 加援助として15億円の援助を行いました。 また、大連に進出している日系企業や本邦の諸団体より、大連市政府に対し、
医療器具(マスク、体温計等)ないし寄付金の形で支援が行われており、市政府 から感謝されております。 3.SARS感染予防措置
先般北京に派遣された日本の「国際緊急援助隊専門家チーム」は次のような予
防措置が有効であるとアドバイスしています(5月15日)ので参考としてくださ い。 1)手洗い:感染予防の基本
2)マスクの着用:市販のガーゼ・マスクも防御効果を有します。人混みに入ると
き、多くの人と接するとき、病院内に入るとき等は是非着用を心がけてください。 3)人混みを避ける。
4)うがいの励行。
5)手で目や鼻などを拭わない。
6)咳、発熱などがある人に近寄らない。
7)換気を良くし空気をきれいにする。
8)過労を避け体調を整える。
○SARSに関する情報入手先 ☆大連市政府関係連絡先 ・大連市外事弁公室 領事処:孫遠江 電話:3635514 3631831−431 13019448274 ・大連市衛生局 医政処:劉雲 電話:3631397 3631831−520 夜間・休日:4308899 4309416 ・大連市中心医院(外賓収治) 電話:4411935 孫院長携帯:13309861122(日本語可) 孫院長自宅:4602419 孫院長弁公室:4438988 ☆在瀋陽日本国総領事館 HP:http://www.shengyang.cn.emb-japan.go.jp/SARS/index.html ☆同大連(駐)事務所
☆WHO HP:http://www.who.int/csr/don/en/ 又は、http://www.who.int/mediacentre/releases/2003/en ☆厚生労働省 HP:http://www.mhlw.go.jp/topics/2003/03/tp0318-1.html 海外勤務健康管理センターHP:http://www.johac.rofuku.go.jp/ 電話:045−474−6039 ☆外務省関係連絡先 ・外務省海外安全ホームページ:http://www.mofa.go.jp/pubanzen/ ・外務省領事移住部政策課(医療関係) 電話:03−3580−3311(内線)2850 ・外務省海外安全相談センター(国別安全情報等) 電話:03−3580−3311(内線)2902 |