こんにちは!お父さんです。元気だかね!
大連リポートのネタがまだ二つほどあるのです。
一つは4月の7,8(土日)に一泊泊まりで米どころ盤錦市へ行った事です。
(大連ではないですね(^レ^;
二つ目は4月28日(土)に大連の桜の名所である旅順の「龍王塘」へ行ったことです。
それではこれらを古い順にリポートしましょう。まずは、盤錦市です。
この話は大連日本商工クラブからありました。
農業主体の盤錦市が新しい産業開発のため、日本企業の誘致を目的とした招待を行うものです。
従って、当然費用は無料です。
送り迎え、宿泊、食事、全て盤錦市が負担します。つまりVIP待遇なのです。
このことは2日間にわたり、はっきりと証明してくれました。
企業参加者は6人、これにJETROの職員が3名入って、総勢9名。
7日(土)大連商工クラブ(JETRO DALIAN)の所在地「森茂ビル」を盤錦市が用意したマイクロバス2台に便乗し、一路北上。
ガタガタの高速道路を約2時間半、菅口市で一般道路に降り、もっとひどい道を約1時間走ると目的地盤錦市がある。
ここは渤海の一番奥まった遼東湾にある。
ちょうど伊勢湾の名古屋市に相当している。
途中、菅口市から盤錦市までの車窓はそのスケールにおいて筆舌に尽くしがたいものがあった。
狭い国日本では絶対に味わえない雄大な視界が広がっている。すなわち、
地平線の彼方まである田んぼ、同じく海老の養殖場、そして葦原である
この雄大さはもはや感動的でさえある。
翌日、早朝「仙鶴」(丹頂鶴)を見に、見渡す限りの葦原を海岸方面に進んだとき、さらに一つ地平線があった。
それは湿地帯であった。
日本でも話題になっている干潟が地平線まであるのです。
鳥類は200種を越え、毎年仙鶴が何百羽と飛来すると言う。
今回は飛び立つ前の鶴を鑑賞することも重要な観光目的であったが、鶴は一羽もいなかった。
あいにく風も強く、天気も悪いのでどこか別の場所にいるとの話であった。
何しろ、地平線の彼方までの葦原と干潟です。きっとどこかにいるのでしょう。残念でした。
ここの鶴は日本の北海道、ロシアのシベリアを移動しており、鶴は既に国際親善を果たしているようです。
到着すると我々は開発区管理ビルに案内され、開発主任と沈陽市副市長による盤錦市の概要説明を受けた。
(盤錦市は沈陽市の管轄下にある)
VTRもあった。いろいろな資料も配布された。既に進出している企業の責任者も同席し、PRもされた。
開発主任の馬新華さんの街づくりに対する情熱は半端ではなかった。
説明会(左から通訳の李環境保護局副局長、徐副市長、馬副秘書長開発主任)
ここで、すこし盤錦市を紹介しましょう。
盤錦市は人口120万人、市設立1984年6月の若い町である。
が、この地区の開発は市設立前から進んでいる。
第一段階が1930年代の日本人による農業開発。
第二段階が1960年代の石油開発。田んぼの下が中国3位の油田「遼河油田」
第三段階が市設立の1984年からの「沈陽政府総合開発」である。
そしていま大きく工業化を図ろうとしている。が、それが果たして良いかどうか疑問である。
工業化は間違いなく豊かな自然を破壊する。葦原、干潟などが破壊されると一体この町はどうなるのか。
このことは、翌日の食事のとき、馬さんに自分の町の例を挙げて説明した。
この説明は特産のシャコを食べながら行った。
私の故郷、愛知県の知多半島にも私が子供の頃はたくさんシャコがいた。
自由に浜に入れたので自分で取ることも出来た。が、
工業化で海岸が臨海工業地帯になるときれいな海岸が無くなり、護岸が築かれ、港に変身していった。
たくさんの企業が工場を建設し、排水を海に排出したため、海はいつのまにか死んでしまった。
シャコも海老も蟹もみんな死んでしまった。
今は排水処理技術が進歩し、汚水は浄化されているので、海も少しづつ回復してきた。
馬さんは私の説明をムッとした表情で聞いていた。開発責任者としては目をつぶりたい事柄かもしれない。
破壊は簡単だが、その修復はとてつもなく時間がかかる。思案のしどころである。
再現しないように留意して欲しいものである。
一通りの説明の後、我々に何か提言して欲しいと要請があった。私は次のように提案した。
「
せっかくの石油資源である。これを原油状態かまたはこれに近い状態(ペレット)で出荷するのはあまりにもったいない。
もっと付加価値を付けて出荷すべきだと。
また、重工業はここの豊かな自然を必ず破壊する。
しかし精密工業なら廃棄物の総量も少ない。
ペレットで出荷するのではなく、最終製品にしたらどうか。その対象はやはり自動車部品だと思う。
中国の自動車産業は長期成長が最も期待できるものである。
樹脂部品はリサイクル化、軽量化に難点あるため欧米や日本では一部の部品が金属に変わりつつあるが、それはほんの一部である。
わたしの会社は樹脂成形用の金型技術を保有しているので、この分野でお役に立てられると思う。
宿泊所>武星賓館
翌日は仙鶴を見に葦原まで出かけたが、残念ながら見ることは出来なかった。
しかし、怪我をした鶴のための療養所があり、そこで本物を見ることが出来た。
ここで保護された鶴は元気になって、翌年ここを飛び立つ。
この後、いま建設中の「遼河碑林」を鑑賞するため移動。
移動の途中、田んぼに林立する石油掘削機が印象的であった。
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